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時局講演会
日本国への疑念、沖縄との出会い




基調講演/講師・新崎盛暉(あらさきもりてる)沖縄大学名誉教授








対談/武建一連帯労組関西地区生コン支部執行委員長・新崎盛暉名誉教授





時局講演会実行委員会は、「沖縄基地問題と日米安保を問う」と題して5月28日、エルおおさか南館5階ホールにて時局講演会を主催。沖縄大学名誉教授・新崎盛暉(あらさきもりてる)先生を講師として招へい、講演と武委員長との対談が行われた。講演会には、基地問題を考える様々な団体・経営者等が集まった。



 講演会は冒頭、司会の高英男連帯労組関西地区生コン支部副委員長が挨拶として、「それぞれの労組・団体に共通する政治問題に基地問題があるが、今まで政治勢力として共闘するという戦線がなかった。今回、今までにない顔ぶれに集まっていただき、日米安保問題含めて学習する機会を設けた」と、この講演会の趣旨を説明した。
  続いて、基調講演「沖縄基地問題と日米安保を問う」と題して新崎盛暉沖縄大学名誉教授が講演をした。


◆新崎講師講演(抜粋)
  アジア・太平洋戦争時に日本のアジア進出と日米欧の覇権争奪戦という2つの側面があり、日本敗戦後から始まる日本の米国従属路線の中心に沖縄があるということを理解すべき。
  そして、日本独立後もアジア支配のために日本に基地を配置し、安保条約に基づくものとして米国支配の仕組みを作った。しかし、民衆の抵抗とベトナム支配が破綻する中で基地維持責任を日本に転嫁させるための沖縄返還が行われた。
  現在、日本国内米軍基地の75%が沖縄にあるが、日本政府にとっても民衆の抵抗運動などを目の当たりにする基地問題は遠い所に置いておいたほうが都合が良い。95年の少女暴行事件を発端とした民衆決起の回答として、老朽化した基地を日本の負担で最新鋭設備基地に作り替え、基地面積は20%削減するという案(SACO合意)が提示されたが、名護市民投票をはじめとする民衆の抵抗でほとんど進展しなかった。しかし、この闘いに逆行する基地容認・誘致賛成派が生まれ、辺野古に基地建設計画が画策される。
  この後、9・11テロがありブッシュの米軍再編策が進行して「同盟国との協力関係」を一層推し進める。そして05年には日米軍事同盟を強化する合意文書が公表され、翌年には日程表が発表される。内容は、「全地球規模の軍事態勢の見直し(GRP)」の一環として基地全体の連携をとり、米軍と自衛隊との協力をより進めるべく計画。そこへ辺野古基地もより沿岸部に新しく作ることを決め、さらに海兵隊の一部をグァムに移転する計画をたてる。
  このグァム移転計画は「沖縄の負担を軽減するのだから、費用の半分は日本が出すのが当然である」という言い分で日本国内でも話される。そこへ今年2月にグァム移転協定が出され、わざわざ協定を作成して締結するという話が出てくる。すでに合意しているのに。これには3つの狙いがある。@反対派へのパフォーマンス=合意から条約へ。これには教科書検定問題にも大きく影響。検定問題では戦争のマイナス面を消そうと画策。A麻生政権は終焉間近。時期政権にも「条約がある」という縛りが狙い。B日米とも経済危機で軍事費の削減が迫られる。「日本が半分出す」という目論みで米議会に通す狙い。
  これらは、日米両政権の政治的経済的弱体化を表している。経済的弱みと抵抗運動の激しさで、わざわざ役に立たない協定を出す必要があった。こけおどしの協定にすぎない。我々がしっかり声をあげて、反対の見通しを立てれば、グァム協定は意味のないものになるだろう。
  戦後、私は愛国少年であることに疑問を感じなかった。しかし、日米安保条約を見て驚いた。「沖縄を米国が占領すること」が書いてある。日本国への疑念∞沖縄≠ニの出会いだった。



 この後の対談で武委員長は、戦争の目的は特権階級の利益のためで、犠牲になるのはいつも民衆。安保の目的は、「米国の利益のため」で、日本国憲法を乗り越える代物だ。
  周辺事態法や有事立法で米国の戦争に巻き込まれるという危険な動きは、まるで真綿で首を絞められるようだ。しかし、矛盾が大きくなれば抵抗も大きくなる。ひとつのテーマで共闘出来れば、一気に反対運動が広がる可能性がある。日米安保は我々の生活に関わる大きな問題。我々の労組は基地・戦争政策に断固反対する。と語った。
(生コン支部機関紙「くさり」6月号より) 

                
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