「くさり」 2006年5月号

「関生事件」とは何か 〜 「KU会第3回勉強会」に357人 〜

「共謀罪」反対訴え 〜 大阪弁護士会が集会・デモ行進 〜

盛大にRENTAI FESTA 2006 〜 いのち輝け にんげんらしく じぶんらしく 〜

セメント・生コン業界の危機突破へ 〜 関連7労組が危機打開・再建へ決起 〜
 ※ 4・11決起集会報告のページにジャンプします

民営化ノー国際シンポジウム 〜 JR尼崎事故1周年 〜

連載22 ブロック版(朝日)
・ 中級・ミキサー乗務員学校を開設 〜 業界従事者の付加価値を高め 〜


「関生事件」とは何か 〜 「KU会第3回勉強会」に357人 〜

 昨年1月13日以降、関西地区生コン支部に加えられた3次に及ぶ異常な権力弾圧と長期勾留。この弾圧・逮捕劇の背景には、大企業支配の産業構造に対抗する生コン中小企業運動を封じ込めんとする権力と大資本の狙いがある。さらに、ビラ配りで逮捕・勾留されるという公安事件が各地で頻発しているように、日本全体に波及する警察・検察の異常な暴走ぶりが指摘されている。
 KU会は、こうした情勢変化と公安警察の実態を掘り下げようと4月24日、三井アーバンホテルで第3回勉強会を開催。テレビ朝日の「サンデープロジエウト」などで有名なジャーナリストの大谷昭宏氏を招き、業界に従事する労使ら計357人が熱心に耳を傾けた。

おかしいぞこの国は… <大谷昭宏氏>
 「関西地区生コン支部事件」は、実にひどい。大企業や国から見れば、中小企業と労組が手を組んで業界や生活を少しでも良くしようとするやり方が許せない。今の日本の大きな流れの中では、大手に楯つくことは邪魔で仕方がない。「格差社会」の中で文句をいう連中の口を塞ぎ、一発ガツッとやらなければということで生コン支部に対する強烈な弾圧が始まった。だが、この運動が潰されたら日本はおかしくなる。少なくとも、子どもたちに胸を張って引き継ぐ社会はやってこないということで、多くのジャーナリストや学者とともに皆さん方の応援をさせて頂くこととなった。
 04年から、「立川テント村事件」や「葛飾ビラ事件」のように、ビラ配りだけで逮捕・勾留されるという公安事件が続発している。「イラク派兵に反対するのはおかしい、文句をいう奴は許さない」というように国全体が右傾化し、もの言わぬ社会になりつつあるのかと絶望感を抱いていた。だが、「サンデープロジェクト」でこの問題を特集したら、非常に高い視聴率を記録した。多くの方々が、「こんな社会でよいのか」とこの放送を見てくれている。
 次に、この国は何をしようとしているのか。大きな山場を迎えている「共謀罪」は、話し合うだけで犯罪となる恐ろしい法案だ。人が何かをやった時に法や刑罰があるという近代法に逆らって、人の良心や心のひだまで取り締まろうとする悪法だ。「おかしいぞ、この国は」という声を上げて平和で豊かな社会をめざし、皆さん方と手を携え、輝きのある未来を創りたい。

弾圧の背景と運動の到達点 <武建一委員長>
 「関生支部弾圧の背景」について、今日の時代状況の特徴と我々の主導的な闘いの到達点から検証したい。
 時代状況は、アメリカ・ブッシュの国際的孤立と末期現象にある小泉政権の巻き返しの攻撃にある。ブッシュ・ドクトリンは、他国への内政干渉と先制攻撃を本質とし、新自由主義、市場原理主義によって多数の弱者を踏み台にする少数の強者にたった論理である。小泉政権はアメリカの政策に追随し、「戦争のできる国」づくりに舵をとり、国際的孤立を深めている。ブッシュと小泉の政策は、EUや中東、国内外からの反発を招き、「分断と競争」を抑制する我々の運動への攻撃となっている。
 我々の主導的な闘いの到達点は、労働者と中小企業間の「分断と競争」を抑制する運動である。関西の生コン創業53年の歴史は、セメントの販売競争の犠牲から生コン業界の自立をめざす運動であり、今回の弾圧も中小企業の自立を妨害する攻撃だ。
 少数者が多数者を支配する原理は、「多数者を分断し競争させる」ことにある。弾圧を受けるのは、敵にとって存在感が高いことを示しており、弾圧をバネに闘い、社会・産業の民主化運動に全力を尽したい。


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「共謀罪」反対訴え 〜 大阪弁護士会が集会・デモ行進 〜

 話し合っただけで罪となる共謀罪に反対する声明を発した大阪弁護士会は4月26日夜、「共謀罪法案・未決拘禁法案を考える市民のつどい」をアピオ大阪で開いた。
 冒頭挨拶にたった大阪弁護士会会長は、「国会では619もの犯罪について処罰される怖さを知らずに共謀罪が蛮行されようとしている。いま声を上げなければ、人権は永久に侵害される」として共謀罪に断固反対することを呼びかけた。「松本サリン事件」で容疑者扱いされたKさんは講演で、自らの体験をもとに「警察は自白を強要して犯人をつくる。市民の権利がこれ以上、侵害されてはならない」と訴えた。
 集会は、「市民の表現活動が監視の対象とされ無限定な監視社会をつくる『共謀罪』新設に反対する」アピールを採択した。
 翌27日には、同弁護士会が12時から「共謀罪」反対を訴え、デモ行進。マスコミ陣に囲まれ、大阪弁護士会館から裁判所・大阪市役所周辺を行進。連帯労組や全港湾、市民団体の仲間も駆けつけ、約300人が風船やゼッケン、横断幕などを掲げ「共謀罪法案反対」のシュプレヒコールを繰り返した。

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盛大にRENTAI FESTA 2006 〜 いのち輝け にんげんらしく じぶんらしく 〜

  前日から降り続いた雨もあがり好天に恵まれた4月16日、恒例のRENTAIFESTA2006が万博公園・お祭り広場で盛大に開かれ、大勢の仲間や家族と友人・知人・市民が賑やかに交流。武・戸田両委員長をはじめ不当にも長期勾留されていた仲間たち全員が笑顔で揃い、組織と運動の新たな飛躍へ絆を深めることを誓いあった。
 FESTAは、実行委員会主催のもとセメント・生コン・圧送関連業界と労働組合が主催。吹田市・ラジオ関西・財団法人日本ユニセフ協会大阪支部・社会福祉法人兵庫盲導犬協会・財団法人大阪交通災害遺族会が後援。「いのち輝け にんげんらしく じぶんらしく」をテーマに、ステージと会場が一体となって熱演と熱唱に酔い、青空に歓声を響かせた。

青空に響く笑顔と歓声
 勇壮な生コン太鼓の響きとともに開演したFESTAは、各界から多彩な来賓が列席するなか、第1部の式典を進行した。
 主催者を代表して挨拶にたった戸田ひさよし近畿地方本部委員長は「春から縁起がよい」象徴として、長期勾留されていた仲間が全員社会復帰したこと、雨が心配されたFESTAも好天に恵まれたことを指摘。フランスでは若者や労働者ら数百万人ものデモ・ストライキで立ち上がって「解雇法」を撤回させたことを教訓に、日本の労働運動を高揚させようと訴えた。
 1年2ヵ月もの長期勾留を経て壇上に立った武建一関西生コン支部委員長は、大きな拍手に包まれて挨拶。42年間の労働運動人生でも初の長期勾留中の教訓として、(1)闘いの場として自らの精神力を高めたこと、(2)読書を通じた学びの場であり、(3)健康管理と健康増進の場として貫いたことを紹介した。
 そして業界はこの間、中小企業と労働者が犠牲となる価格競争によって地獄の道を歩んでいたことを指摘。この流れを転換するために今、アウト・インの大同団結、品質管理と監査制度の充実化、販売店の協業化、品質補償システムの確立(瑕疵保証制度)、新技術の開発など新たな需要を創出する方向に関連労組が一体となって追求していることを強調した。さらに、米ブッシュと小泉政権の戦争政策と対決し、国境を越えてグローバリズムと闘うこと。アメリカや一部特権階級のために多数を踏み台にする小泉改革と闘い、労働者のくらしと権利の獲得へ全力を尽す決意を示した。

関生バンドに拍手喝采
 続いて、列席頂いた各界来賓から次々と激励メッセージが寄せられた。「春闘が決裂するなか、業界再建への結論を出さねばならない。労使ともに危機感を共有し、課題を実行する時」(門田哲郎大阪兵庫生コン経営者会副会長)。「国会内シンポを通じ、国策捜査と人質司法の実態を明らかにしてきた。国策捜査の中止と公正裁判を求める運動を」(長谷川武久中央執行委員長)。
 第2部は、関西大学チアリーディングによるオープニング。がんばれ若者!フレッシュ・ステージ!、フォーク、ストリートダンス、琉球エイサー「琉響伝」、漫才(大木こだま・ひびき)、キャラクターショー(ふたりはプリキュア)、子ども賞の抽選会へ。そして、「関生バンド」がFESTAで初演奏。練習の成果をいかし、軽妙なリズム音を響かせた。
 松崎しげるのゲストライブには大勢の観客がステージ前を包み、歌唱力を堪能。お楽しみ抽選会では、いきなり特賞の旅行クーポン券を松崎さんが抽選して発表。みごと兵庫県在住のKさんが射止めた。会場で集約した募金・バザー売上金の合計は、大阪交通遺族会、日本ユニセフ協会大阪支部、兵庫盲導犬協会、日韓労働者共同闘争委員会に贈られる。


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民営化ノー国際シンポジウム 〜 JR尼崎事故1周年 〜

「安全よりも営利」各国共通の弊害
 4月22日、JR尼崎事故1周年を期して「民営化ノー国際シンポジウム」が開かれた。シンポジウムは、狭い会場に200名もの参加者で溢れ、マスコミ陣に囲まれる中で進行。
 最初に、事故で長女を亡くした遺族のHさんが挨拶。「マスコミの興味本位の質問が辛い。私たちが求めているのは、事故原因を明らかにしてほしいこと。でなければ亡くなった人は浮かばれないが、JRは何も知らせてくれない」と声を震わせた。
 海外ゲストは、英鉄道労組員、フランス鉄道労組員、韓国鉄道労組員、日本の代表として国労近畿地本の組合員。それぞれから、民営化の現状と安全問題をめぐる問題点が報告され、余りの多い共通点に参加者は驚いた。
 民営化で事故が多発する日本とイギリス、実質的民営化で安全の規制緩和が進む韓国とフランス。各国の鉄道労働者による具体的な報告は、国を越えて営利優先の「新自由主義政策」がもたらす歪みが浮き彫りとなった。
 翌23日午後には、JR尼崎崎駅から事故現場まで「抗議と追悼の行進」が行われた。全国から労働者・市民500人が集まり、地域一帯に「民営化反対」「JRは命と安全を守れ」と訴え、献花を行った。


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連載22 ブロック版(朝日)

中級・ミキサー乗務員学校を開設 〜 業界従事者の付加価値を高め 〜
業界従事者の付加価値を高め
 4月9日、早朝8時から「中級ミキサー乗務員学校」が開校された。
 第1講義は、『生コン輸送のABC』を解説。朝の地図確認から洗車終了まで、生コン運搬業務の再確認になった。
 第2講義は、『生コンのいろは』の解説。講師が要点をわかりやすく教義したので、技術分野が苦手な受講生も熱心に聴き入っていた。
 第3講義は、「今なぜ学校か」を解説。国境を越えた過当競争、コスト競争の波が生コン業界にも押し寄せていること。こうした市場原理に対して業界の労使が厳しい情勢認識を共有し、品質管理や協組機能の強化など業界の構造改革に挑んでいる実例を解説。業界に従事する労働者自身が自らの付加価値を高め、コンクリート構造物に対するユーザーの社会的信頼を確保することが求められていることを強調した。

全員が優秀な成績
 第4講義は「車輌点検整備要領」をスライドで説明。開設が終わったところで昼食となった。
 さすがに、試験があるので受講生は真剣なまなざし。昼休憩中に、テキストを何度も読み返す人もいた。試験の結果は、満点が3人、最低が80点以上と全員が優秀な成績を収めた。
 続いて、消防署員から普通救命講習&実技の指導を受講。人形を患者に見立てた実技講習は、各自が様々なパフォーマンスをして笑いが絶えなかった。


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