武執行委員長のメッセージ【要旨】
弾圧で得をするのは一体、誰か
生コン支部は1965年10月17日、当時の西淀川労働会館で設立大会を開き、それまでの企業別支部から産業別組織として新たにスタートし、今年で満40年の歳月を経て今日を迎えています。生コン支部と共に汗を出し、悩み、苦しみ、時に涙し、喜び、40年共に歩んだ私にとっては誇りに思うと同時に感慨深いものがあります。この歴史的に記念すべき大会に、都島拘置所に勾留されている6人が参加できないことは誠に残念なことであります。しかしシャバにいる仲間たちがこの大会を準備され、組織し、このように成功裡に、しかも賑々しく開催されましたことを心より喜んでいます。努力された仲間の皆さんに、心より敬意を表します。また2件にわたる裁判公判日には組合員家族、中央役員、生コン産労、全港湾、OB会、各会社代表、大和田委員長、和田先生はじめ多くの皆様の傍聴参加をいただき、大変勇気づけられています。ありがとうございます。
今回の不当弾圧の本質、狙いが何であるかは、私たちが逮捕・長期勾留の間、何が起きているか見れば誰が考えても分かることと思います。すなわち週休2日制がアウト対策と称して崩されつつあるのです(これは23年前の弾圧の時も同じ経験をしました。休日変更・労働条件の改悪・賃上げゼロ回答です)。大阪における生コンの販売価格が値下がりしていること(これも23年前と同じです。これは消費者には還元されず、ハウスメーカーと一部販売店の利益になっています)。このことにより犠牲を受けているのは倒産の危機に直面する中小企業であり、雇用不安が発生している労働者です。権力弾圧で得をする者、それは一部の大企業であり、損をするのは中小企業と労働者であることは今回の弾圧事件で実に分かりやすくはっきりしています。被害企業と称される2社も、このあおりを受けるのです。
大阪府下の生コンの年間需要は、大阪広域協同組合が設立された10年前は800万立方米を超えていて、1工場あたり6000立方米平均でありました。ところが建設関連投資の抑制、新増設プラントの続出により03年〜04年、年々インプラントの出荷は落ち込み、インの中の企業でも「この状態で座して死を待つより脱退して販売する」会社が現れたのです。この状態に手をこまねいていると、過去に経験したようにインとアウトの過当競争、原価割れの生コン価格、倒産、失業になりかねない深刻な事態であったのです。
業界の危機打開 近代化への道標
このような事態を打開すべく関西生コン産業政策協議会は、業界の危機打開策を打ち出し運動を展開したのであります。すなわち、
(1)イン、アウトの大同団結。それには歴史と現状認識を一致すること。
(2)適正価格の維持と原価公表。これは消費者との信頼、信用を得るのに必要 条件です。
(3)品質管理と保証システムの確立。
(4)新技術開発による需要創出。
(5)共同事業化によるコストの平準化。
(6)適正公平なるシェア決定システムの確立。
(7)販売店の協同組合化。
(8)知的レベルアップをめざすマイスター塾の設立。
(9)広報活動によりコンクリートの社会的有用性を明らかにする。
(10)産業別賃金、福祉、雇用、各制度の確立。
等であります。
この様な運動を取り組む事によって、大阪兵庫生コン経営者会は、
(1)共同試験場の建設
(2)生コン会館建設
(3)適正工場配置の共同事業を関西生コン政策協議会と合意したのです。
特に大企業と権力の言い分とは、「中小企業と労働組合が団結し政策活動を行うことは、大企業中心の産業支配システムにたてつくことであり、これが資本主義社会では許されない」との立場であります。彼らは一般国民の利益とか権利より一握りの大企業の番犬なのです。一般国民と権力とは、敵対関係にあるのです。しかし彼らはその醜い本質を隠すためマスメディアを使い、「強要未遂だの威力業務妨害だの」の事件を必要としているのです。
40年前の劣悪な条件と対比して
ところが一方では、敵の攻撃は仲間の団結促進になるのです。労働運動の歴史が教えていますことは、資本と権力の攻撃の中で労働組合は誕生し、労働組合は経済要求の実現だけではなく、政治の仕組みを労働者本位に変えることをめざし闘うようになったということです。敵は攻撃により労働者を鍛え、自覚させたのです。敵は自らの相手への攻撃が、自らの墓穴を掘ることになるのです。この歴史の発展法則に、我々は確信を持っているのです。今回、敵は我々に最大のチャンスを与えているのです。そこから得られるものは、政策闘争の発展なくして「中小企業を救うことはできず、労働者の雇用、労働条件の維持・向上は不可能である」ということです。
生コン支部40年の歴史と伝統は、敵のいかなる攻撃に対しても体を張って不屈に闘う強固な意志力、先進的政策活動能力、電撃的反撃対応であります。敵には強く、仲間には頼れる、求められる労働組合です。我々はここに生コン支部魂を見て、誇りにしているところです。
40年前、奴隷的賃金・労働条件下にあった生コン労働者。今、東京大学に入学するより難しいといわれ、他産業の仲間からうらやましがられている優れた労働条件。職場には自由があり笑いがあり、明るい連帯感がありぬくもりがある。中小企業の良き味方、闘う仲間たちの闘う砦である労働組合、これが生コン支部なのです。「敵の攻撃を反面教師として成長する」、揺るぎない階級的観点に立った労働運動を今後も力強く発展させなければなりません。
支配層内部の対立と矛盾が激化
さて政局について、先の衆議院選挙では自民大勝、自公両党により議会では3分の2以上の議席を獲得することに成功しています。これは小泉による巧みな焦点隠し、選挙制度、自公癒着、マスメディアによる誘導等によるものです。けっして支配者の行おうとしている大増税、年金はじめ福祉の切り捨て、グローバリズムの名による大競争によって多数の弱者を痛め、会社倒産、大量失業等にYESを与えたのではないのです。ほんのわずかの期間でメッキはすぐ剥げます。そこが反撃チャンスです。
すでに支配者の内部では、対立矛盾が激化しています。郵政民営化をめぐる内部分裂、これはその始まりが表に現れただけですが、今後この動きは一層強くなると思われます。それは既得権を守ろうとする側と、アメリカと多国籍企業の利益を優先する側との対立矛盾なのです。小泉総理自身、来年9月には辞めると言っています。これは今までの莫大な借金と無駄遣いのツケを国民に転嫁する、それには消費税等の税金を大幅に上げるしかないのです。国民の反発を恐れているのです。アメリカの尻馬に乗り自衛隊を戦闘地域に派遣し、いつ反撃にあうやらビクビクしているのです。
憲法改悪、自衛隊の合法化、集団的自衛権の発動を是認する動き、テロ対策と称して国民保護の名による国民監視、人権抑制システムの確立、好き放題のことを考え、実行しようとしています。第二次世界大戦時、ドイツ・ヒトラー政権が行ったように、日本の軍国主義者が行ったように「初めは政権と最も闘う側を弾圧し、やがて身内まで弾圧の対象にして体制を維持した」、このことにより世界を戦争の惨禍に引き込み多くの尊い人命を失ったことは記憶に新しいことであります。この歴史事実から教訓を引き出すことが大事なことであります。少数の支配者が多数の国民を欺瞞により議席を獲得したからといって傍若無人な振る舞いをすれば、彼らは自らの墓穴を掘るようなものです。しかし法則的には、彼らは国民への攻撃は避けられないのであります。議席は多数でも、それを支配しているのは少数なのです。彼らの攻撃を、反撃の最大の武器として闘うことなのです。そこに勝利の道が開かれるのです。
大多数の弱者が共存できる社会
労働組合は今まで展開してきた春闘、政策闘争を発展させつつ、労働組合の社会的任務として経済闘争・思想闘争・政治闘争を三位一体的に追求することが時代の要請として強く求められています。世界を変え、日本を変え、産業界を変え、職場を明るくする観点です。グローバル市場原理主義、新自由主義の名による、帝国主義の行う地球的規模の収奪、搾取政策、略奪のための戦争と対決して闘うことです。それには過去を反省し、歴史教育に力を入れることです。改革と称し中小企業と労働者の権益を剥奪することを許さない闘いを展開することです。マスメディア、支配者の作った彼らに都合の良い常識に惑わされることなく、物事の本質を見る目を養うこと、これは労働者的学習力を身につけることです。そのことにより「苦しい時は原因は何か、闘う時は敵は誰か」、的を得た闘いにより勝利するのです。
今日需要が落ち込み競争をあおる時代状況が作られ、労働組合は抵抗勢力として叩かれ弱っています。このような時代に我々は何をなすべきか。それは企業主義、本工主義、企業内労使協調主義を実践的に克服する方針を確立し闘うことです。産業政策活動は経済の民主化、産業の民主化に加え、労働組合の企業内的運動の限界を克服する運動でもあるのです。今日、多くの非正規労働者を組織する場合においても重要な取り組みでもあるのです。
産業別的団結テーマは、組合員のみだけでなく未組織労働者も対象になります。賃金、福祉、雇用、安全衛生、人格権等と下請企業の地位向上テーマと団結主体としての協同組合化等です。労働組合の組織形態は、業種別・産業別が団結体にとって有効です。これは生コン支部の歴史が教えています。
傾向の異なる労働組合、諸団体との共通テーマによる共闘をさらに発展させること、困難な闘いを余儀なくされている仲間の闘いを共有し連帯して闘う、これは「他人の痛みを己の痛みとして感じられる労働運動」の実践であります。
一昨年来取り組んでいる幹部活動家のレベルアップ、各ブロック職場の活性化は、引き続き重要な実践テーマです。今大会が運動方針の確立に加え、質の高い団結力と行動力を獲得すること、権利侵害・弾圧粉砕、組織拡大、諸課題実現に向け飛躍的前進の基礎を確立することであります。
記念すべき歴史的大会の成功、バンザイ。
2005年10月5日 獄中にて
委員長 武 建一 |